グループレッスン導入事例
「わかる英語」から「使える英語」へ
山口県宇部市の取り組み
昨年9月より2中学校区(中学校:2、小学校:4)でオンライン英会話を試験的に導入。
その授業の様子を中心に紹介します。
前回の品川区と今回紹介する宇部市の一番大きな違いは人数です。品川区は講師と生徒がマンツーマンで学習していましたが、宇部市の場合は、中学校は2、3人のグループに講師1名、小学校はクラス全員を1名の講師が指導する形式です。今回は小学校、中学校それぞれの授業の様子を中心にリポートします。
【中学校】小グループで学ぶ
ワークシートを手にグループで学ぶ(厚東川中学校)
宇部市立厚東川中学校の、1年生の授業を参観しました。クラスの人数は23名。一斉指導で今日の学習活動で使う基本文型を復習後、2〜4名の小グループに分かれ、タブレットが設置された机に移動。オンライン英会話にログインすると、女性講師が画面に現れ、にこやかなあいさつから、レッスンが始まります。生徒が交代で講師の問いかけに答えていく。自分が答える番でなくても、4名だとすぐに順番が回ってくるから、気を抜くこともできません。自分で話す回数はマンツーマンより少ないですが、他の生徒への問いかけも聞いていないと対話の流れがわからなくなってしまいますから、学習の密度は非常に高いと言えそうです。
また、困ったときに他の子が助け船を出してくれることはマンツーマンにはないよさでしょう。
「当初は私に助けを求める生徒もいましたが、今では声も大きくなり、すっかり雰囲気が変わりました。自信もついたようです」と、英語科の宮本勝実教諭。
現在は1年生のみの導入ですが、今後は2、3年生へと拡大したいとおっしゃっていました。
【小学校】全員を一人で指導
クラス全員で大画面テレビの前に立って学ぶ(厚東小学校)
宇部市立厚東小学校では5、6年生がオンライン英会話を利用しています。視察した5年生のクラス(児童数8名)では、大画面の液晶テレビの前に全員が並び、1人対8人で授業が進みます。画面の向こうからの呼びかけに1人ずつ交代で答えていきます。オンライン英会話の授業時には、中学校から英語科教師が訪れ、学級担任とともに授業のサポートに当たられています。専門的な内容に関して指導・助言をすることに加えて、講師の言葉が児童にうまく伝わらなかったときに、「通訳」の役割も担い、スムーズな授業進行にも貢献していました。それが、限られたレッスン時間を有効活用し、密度の濃い学びにつながっていました。
児童に感想を尋ねると異口同音に「楽しかった」と答えてくれました。
実践的な英語教育を目指す
今回の試験導入は、「わかる英語」から「使える英語」へという実践的な英語教育を目指す市の方向性に準じたものです。また、整備したタブレットPCの効果的な活用場面の一つとしての期待もあるそうです。
オンライン英会話の導入にあたって宇部市教育委員会は、英語指導の資格をもつ講師、教科書に沿ったレッスン、教材の用意、そして、出社型で指導することなどを求めたそうです。これは、授業の質の保証と、講師個人の都合等での急な予定変更(休講等)を防ぐためだそうです。
今後の継続・展開については、効果測定テストの結果などを見ての判断となります。実際、小学校での講師1名でクラス全員を指導する場面では、ALTが対面で指導した方が臨機応変に対応でき、よいのではとの声もあります。しかし、予算面や人材確保の難しさなどの制約もあります。与えられた条件下で、何がベストかを検討していくことになります。
次期学習指導要領では、小学校の英語等の授業時数増により、ALT等の英語指導に関わる人材のニーズが高まることは間違いありません。そうしたなかで、宇部市と同様の悩みを抱える地域も、増えていくのではないでしょうか。
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